カンバーランド長老キリスト教会日本中会

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-- 2020.04.08 --

十字架と復活の主の御名をほめたたえます。

私たちはいま不安と怖れの中で受難週を過ごしています。新型コロナウィルスの感染拡大によって世界中に危機が拡がっています。4月末に予定されていた今年のメイン行事の一つだった「カンバーランド・セレブレーション」も延期を余儀なくされました。日本中会の諸教会においても様々な対応がすでになされています。会堂に集まっての礼拝を中止し、ライブ配信を開始した教会もあります。礼拝を継続するにしても、会堂での礼拝を中止にするにしても、どのような決断を下しても「これでいいのだろうか」という思いが私たちの心にはあり、ストレスを感じながら日々を過ごしていると思います。

先日、さがみ野教会の宮井先生が、宗教改革者マルティン・ルターが書いた手紙を教えてくださいました。その手紙は1527年にペストが大流行している時に書かれたものでした。ルターはその手紙の中でペストが広がる地域の牧師たちに、「病が心に恐れと恐怖をもたらす」ならば、それは「疑いもなく悪魔であることを人々に伝え」、その悪魔を攻撃することを勧めました。

まさにいま私たちは悪魔の攻撃にさらされています。恐れと恐怖が私たちの中にあります。その恐怖に支配された者たちが「パニック買い」と呼ばれるような行動をします。マスクを巡り大人たちが奪い合い、喧嘩をしています。恐怖と恐れの中で、私たちは普段では考えられないような行動をとってしまいます。「多くの人の愛が冷える」(マタイ24:12)終末的な様相が私たちの中にあります。次第に怖れが高まる中で私たちはその不安を解消してくれる指導者を欲します。指導力を発揮しないリーダーに幻滅します。そして徐々に自分たちの恐れと不安を解消してくれる英雄的リーダーを求めだします。イエスよりバラバを求めるように……。

今日(7日)にも首相が「緊急事態宣言」をすると報じられています。そうは言っても海外のような強力な縛りが生じるわけではありません。そのことから、国家により強い権限を持たせることを望む声が日に日に強くなっているように感じます。今回の対応をきっかけに内閣により強大な権力を持たせることを容認する空気が醸成されていくようで、何か不気味に思います。うがった見方かもしれません。しかし、恐れと恐怖を巧みに利用する悪魔の攻撃を私たちがいま受けていると自覚することは重要なことだと思います。

今朝、私はローズンゲン(「日々の聖句」)で「なぜ怖がるのか。まだ信じないのか」(マルコ4:40)との御言葉をいただきました。嵐の中で恐れと恐怖に支配された弟子たちに語られた主の言葉です。「緊急事態」が宣言されようとする中に生きる私たちに主が確かに語りかけてくださっているのだと思い、心が高く引き上げられるようでした。私たちは信仰があればウィルスなど恐れることはない、とは言いません。ウィルスは恐ろしいものです。しかし、私たちが恐怖と恐れに心を支配されて、主イエスへの信頼を失ってはなりません。私たちはいま、恐れと恐怖の中で、何を信じて、信頼して生きていくのかが問われているのです。

「わたしは真理について証しするために生まれ、そのためにこの世に来た。真理に属する人は皆、わたしの声を聞く」(ヨハネ18:37)。昨日6日にローズンゲンで与えられた聖句です。私たちは「真理について証しするために生まれた方」の声を聞くのです。主イエスの声を聞きましょう。真理とは主イエスの十字架によって示された神の愛に他なりません。神の愛を証しするために主イエスはお生れになり、私たちとのところへ来てくださり、愛を教えてくださったのです。「愛には恐れがない。完全な愛は恐れを締め出します」(Ⅰヨハネ4:18)。ウィルスによって私たちの行動は制約を受けます。しかし、私たちはできる限り知恵を使い、神に仕え、隣人に仕えましょう。神の愛に生かされ、神の愛に生きましょう。それこそ恐れに打ち勝つ道であり、悪魔に打ち勝つ方法です。

復活の希望がみなさんと共にありますように。

2020 年4 ⽉7 ⽇
カンバーランド⻑⽼教会⽇本中会
議⻑ 唐澤健太

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