カンバーランド長老キリスト教会日本中会

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中会決議「戦後50年にあたって」

中会決議

戦後50年にあたって
-過去の罪責の悔い改めと将来への決意-

1995年8月15日
カンバーランド長老キリスト教会日本中会

私たちカンバーランド長老キリスト教会日本中会は、唯一の主、イエス・キリストをかしらとするキリストのからだなる教会の一員として、戦後50年の節目にあたり、次のように、神と隣人に対して犯した罪の悔い改め、将来への決意を表明いたします。

私たちの国は、明治維新以降、天皇主権の国家体制のもとで、隣国をむさぼる罪を犯し、アジアの国々を侵略し、植民地としました。ことに、アジア太平洋戦争を含む15年戦争においては、朝鮮・中国をはじめとしてアジアの国々やその他の諸外国の人々に多くの犠牲をあたえ、悲惨をもたらしました。このような中で、日本の教会は、国家による侵略行為に対して警告する「見張り人」としてのつとめを果たすことができず、むしろ侵略戦争に積極的に加担してしまいました。さらに国家神道体制にあって天皇を現人神とする偶像礼拝の罪を犯しただけでなく、同じキリストのからだに属するアジアの教会に神社参拝を強制しました。

戦後誕生した私たちの教会は、この戦争に直接的には関係がありません。しかし、明治期にヘール宣教師たちの働きを通して設立された私たちと同じ群れは、日本基督一致教会(後の日本基督教会)に合同し、さらに日本基督教団に合同していきました。また、戦後、私たちの教会は、この日本基督教団の一員として歩みを始めました。このように私たちは、当時の教会と全く関係がないということはできません。さらに、私たちは、同じキリストのからだに属する者として、過去の教会が犯した罪と過ちについても連帯の責任を負うものです。それ故、私たちは、この罪を告白し、心から悔い改めます。

戦後、私たちの国は、国民主権の国家体制となりましたが、50年もの間、植民地支配と侵略戦争による日本の罪責をあいまいなまま放置してきました。ようやく「戦後50年国会議決」を行いましたが明確な謝罪の姿勢を示すことができませんでした。植民地支配と侵略戦争の被害者やその遺族の人々には、いまだ国家として謝罪も補償もおこなっていません。それどころか、むさぼりの姿勢を継続し、自国利益優先の経済論理にのっとり、経済発展の手助けや、雇用の提供などといった名目のもとに、アジアの国々を経済的に侵略して、森林を破壊し、漁場を荒らし、労働力を搾取し、伝統的な文化や生活を破壊し、買春ツアーや売春目的の人身売買を行い、今なお多くの人々を苦しめている現実があります。

国内においても、植民地支配と強制連行などによって在日を余儀なくされた韓国・朝鮮人をはじめとして多くの在日外国人の「人間の尊厳」をそこなっています。このような状況にもかかわらず、私たちは隣人の痛みに鈍感であり、国家と社会に対する「地の塩」、「世の光」としての責任を十分に果たしていません。このことを告白し、心から悔い改めます。

この戦後50年を迎えて、私たちは、歴史の支配者である神の前に、これまで私たちの国と教会が犯した罪に対する認識が不十分であり、神と隣人に対して、罪の悔い改めをしてこなかったことを告白し、心から反省します。再び同じ過ちを犯さないことを決意し、次の世代にこのことを継承していきます。この決意に基づき、私たちは、御言葉を宣べ伝え、神の御旨を示します。神が創造の業において、人々のために意図した基本的な人間の尊厳を否定する政治的、経済的、文化的、人種的抑圧状況に反対し、抵抗し、変革を求めていきます(『信仰告白』 6・30)。すべての人々、すべての階層、すべての人種、すべての国々の間に、和解と、愛と正義が拡大されることを求めていきます(『信仰告白』 6・32)。

神がこの決意を祝福してくださり、全うさせてくださるように祈り求めます。

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